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山崎はジッと前を見つめた。
場所は特定されてるんやな…。
カラン…
下駄の音がすぐそこで聞こえた。
暗闇の中から姿が現れる。
「覚悟せぇよ」
追手はもう山崎の目に映っていた。
後ろを振り返った。
後ろにも追手がニヤニヤとしている。
山崎はもう一度きつく角材を握りしめた。
「おいおい~。お前それでやる気?アホか」
男はニヤニヤと歩み出てきた。
先程とは違い、勝ち誇った余裕感がある。
山崎は力一杯睨み付けた。【你一定要知的植髮流程】解答植髮失敗風險高嗎?植髮痛嗎? -
「文句あるんか」
ドスの効いた声で相手を凄ませる。
「あはははは!いやぁ。文句は全くあらへんけどなぁ」
笑いながら男はスラリと刀を抜いた。
「お前が死ぬだけや」
その言葉に山崎は大きく舌打ちした。
こりゃマジだな。
「やれ!!」
男が叫ぶと、したっぱであろう数人の浪人達が山崎に襲いかかった。
ゴスッ
山崎は相手の腹を角材で突く。
最初の方は相手が油断していたこともあり、対等だった。
だが、あまりに山崎が不利過ぎる状況だ。
次第に傷が増え出した。
まずいな。
刀を振られ、山崎は角材を構えた。
バキンッ!
「……え?」
山崎の手には真っ二つに割れた角材が握られていた。
今までのダメージが蓄積され、今の一撃で折れたのだ。
一瞬思考が止まった。
相手も固まっていたが、ニヤリと笑った。
その瞬間悪寒が走り、脳が再び働きだす。
まずいまずいまずい!
本間にあかんって!
冷や汗をかく。
男は刀を振り上げた。
刃に月が映って光った。
「おい。よく聞いとけよ…」
いきなり鋭い目をした男が登場した。
刀は止まったままだ。
次から次へと…。
「……あ!あん時の色男やん」
山崎の呟きに追手は眉を潜めた。
「お前誰や」
「関係ないやつはすっこんでろ!」
追手は皆、そいつを凝視する。
「うるせぇ黙れカス」
「な!」
「関係?大有りだ」
そいつは額に青筋を浮かべて睨んでいた。
「お前らは訂正しなければならない点が沢山ある」
「は?」
「ひとーつ。俺はボンボンじゃねぇ。なれるもんならなってるよアホ」
「アホやと!?」
「はいはーい。黙ってくださいカス~」
なんやこの男…。
山崎は呆然としていた。
「ひとーつ。俺はなんもできなくないわクソ野郎」
「ひとーつ。俺は弱くない。お前らの方が一人に全員でたかって、弱いんじゃねぇかバーカ」
追手は青筋を浮かべていた。
すこぶる苛ついている。
「ひとーつ…。お前らは俺に敬語を使うべきだ。
俺?俺か?……壬生浪士組副長、土方歳三じゃボケぇぇ!」
土方は鬼のような形相で叫んだ。
シーン…
壬生浪士組…土方歳三…。
「壬生浪士組?なんやそれ。そんなん知らん」
山崎が口を開いた。
「は!?てめ!知らねぇのか!?」
「知らん。兄ちゃん誰や。えらい整った顔してますなぁ。まぁ、眉間の皺と目付きが鬼みたいやけど」
「けっ…。助けにきてやったのによぉ」
土方は砂利を蹴った。
「兄ちゃん自分の憂さ晴らしに来ただけちゃうんか…。自分のことしかほとんど言ってへんやん」
「おう。憂さ晴らしだ。お前はおまけだから助けてやる」
土方は開き直ったように言った。
「んなもん頼んでへん」
つんけんとした山崎の態度に土方は睨み付けた。
「おい…。どうなってんだ?俺も壬生浪士組なんて知らねぇ」
追手の一番偉そうな奴がしたっぱに聞いた。
「さぁ?」
「あれですよ。会津の田舎侍を集めたあれです」
「あぁ!」
手をポンと叩いた。
その間にも山崎と土方の口論は続く。
「おい。お前」
追手が声を掛けた。
「だぁかぁら!一人で片付けれる言うてるやん!」
「よく言うぜ。そんなぼろ雑巾みたいにされてるくせに」
「はいはい!悪ぅございましたぁ!二枚目さんは自慢の顔が傷つく前にお家に帰ったらどうですかぁ!」
「お前はすでに二枚目の顔が傷ついてるぜ。ここで土下座したら助けてやろう」
「はぁ!?ふざけとんちゃうぞ!」
二人は全く聞こえていないようだ。